綺麗な髪を保つため、ヘアケアアイテムにお金をかけたり、定期的に美容院でトリートメントをしてもらう女性は多いですよね。
でもそれってお金がかかるので…節約を考えると、少なくとも美容院でトリートメントをする頻度は落としたいところです。
私はつげ櫛を使い始めてから、髪の毛のコンディションが抜群によくなりました!
そのため美容院でトリートメントをすることがなくなり、ヘアケア用品にかける費用も激減しました。
つげ櫛の魅力とおすすめのお店をご紹介します。
そもそも柘植櫛って何?
つげ櫛とは、柘植(黄楊)の木から作られた櫛のことです。
つげ櫛は古くから日本女性に愛用されてきました。
平城京跡からも出土するほど、昔から使われてきた伝統工芸品です。
大切にお手入れをすれば一生もので、親子2代にわたって使い続けることも可能です。
木製の櫛はすべてつげ櫛だと思っている方が多いのですが、柘植の木からできていないものはつげ櫛ではありません。
一時期『ダイソーの桃の木櫛でつげ櫛を作ろう!』というライフハックが流行しましたが、つげ櫛は自作できるものではありません。
あれは植物油を染みこませて『つげ櫛っぽくした桃の木櫛』ですね。
つげ櫛の最大の魅力は、髪をとかす時に静電気が起きにくいこと!
静電気が起こらないということは
- 髪のからまり、もつれ
- 枝毛
- 切れ毛
などのトラブルが起きにくくなります。
また、油を染みこませて使うため、髪をとかすごとに髪の毛に適度なツヤが出ます。
頭皮のマッサージにもなるので、まさにいいことづくめの櫛なんですよ。
本つげ櫛と薩摩つげ櫛の違い
一口につげ櫛と言っても、実は素材による違いがあります。
本つげの櫛
100円ショップなどでも見かける、『本つげ』と焼き印が入った櫛。
本つげだから『本物のつげ』なのでは?と思ってしまいがちですが…。
実は、本つげは海外産の木材です。
職人さんの中には『シャム材』と呼んで、柘植ではないと明確に区別されている方もいらっしゃいます。
輸入された柘植材は国産の薩摩つげと比べると粘りや弾力性に劣るため、歯の欠けや割れが発生しやすいんです。
その分お値段はかなりお手頃なので、とりあえずお試しでつげ櫛を使ってみたい方やつげ櫛デビューにはぴったりの櫛と言えるでしょう。
薩摩つげの櫛
こちらがいわゆる『本物の柘植の櫛』です!
薩摩=九州産の柘植で作られている最高級品です。
粘りと弾力性に優れ、耐久性があります。
薩摩つげの櫛なら、親子2代、大切に使えば3代にわたって受け継ぐことも可能です。
良質な薩摩つげ自体が手に入りにくくなっているため、薩摩つげの櫛は年々価格が上昇傾向にあります。
その他の木製櫛
本つげ・薩摩つげ以外にも、櫛づくりに向いた木があります。
つげ材に似ているアカネ材を使った『あかね櫛』や、目が詰まって固いミネバリ材を使った『みねばり櫛』などもあります。
『国産のつげ櫛』とだけ書いてある場合
- 輸入材を使って日本国内で作られた櫛
- 国産の素材を使って日本国内で作られた櫛
のどちらなのかがわかりません。
本つげなのか薩摩つげなのか、きちんと材質を確かめてから購入しましょう。
つげ櫛の種類と選び方
つげ櫛は、実に種類が豊富!
いろんな形の櫛があります。
用途によって選び分けると使いやすいですよ。
解櫛
髪を解く(とく)ための櫛なので解櫛と呼ばれています。
もっともポピュラーで、一般的につげ櫛と言えばこれ!ですね。
持ちやすくとかしやすいので、まず最初に購入したい櫛です。
セット櫛
100円ショップなどでもよく見かける、歯が細かく柄があるタイプの櫛です。
髪をとかすことよりも、セットすることを主な目的としています。
パーマ櫛
解櫛と比べると歯が荒く、深さもある櫛です。
パーマをかけている人でも、パーマがとれることなく髪をとかすことができます。
男櫛
セット櫛よりも短くて太い柄(持ち手)がついています。
スーツの内ポケットにも入れられる、男性用の携帯櫛です。
手付櫛
男櫛と似ていますが、男櫛よりも曲線的な形状をしています。
男女ともに人気があるタイプです。
携帯用に便利な櫛です。
つげ櫛の大きさと使い分ける方法
つげ櫛の大きさ(幅)は、一般的にセンチメートルではなく『寸(すん)』で表記されます。
1寸は大体3cmですから、4寸の櫛=約12cmですね。
3~4寸の櫛は携帯用。
4寸5分は携帯用にも自宅用にも。
5寸以上の大きな櫛は、自宅での使用に便利です。
- 髪が太い
- 髪の量が多い
- ロングヘア
これらに当てはまる場合は、6寸の大ぶりな櫛を使うと髪を楽にとかせます。
つげ櫛の使いやすさは歯の粗さで決まる!
つげ櫛は、歯の粗さが細かいものから荒いものまでさまざまです。
なぜ歯の荒さが違うのかというと、髪質や髪の毛の量によって使い分けるためなんですね。
自分の髪質やお好みで選んでみてください。
細歯
ストレートヘア、ショートヘア、セミロング、髪が細い、髪の量が少なめ~普通
中歯
ストレートヘア、ショートヘア、セミロング、髪の太さは普通、髪の量も普通
さし荒
ストレートヘア、ゆるいパーマ、ロングヘア、髪が少し太い、髪の量が普通~やや多め
荒歯
ストレートヘア、ゆるいパーマ、ロングヘア、髪が太い、髪の量がやや多め~多め
パーマ櫛
きつめのパーマ、ロングヘア、髪が太い、髪の量が多い
たとえば…
など、自分の髪質と用途によって櫛のサイズと歯の荒さを選びましょう。
また
こんな選び方もできますね。
櫛の大きさ・櫛の歯の荒さを別々に考慮してから組み合わせると失敗がありません。
おすすめのつげ櫛販売店
つげ櫛を販売しているショップや工房はいくつかありますが、中でも私が購入したことのあるお店、評判のいいお店をピックアップしてみました。
どこも高品質で人気のあるお店です。
廣島つげ櫛店
廣島つげ櫛店は、廣島政夫さんの個人工房です。
日本で唯一、つげ櫛作りのすべての工程を手作業で行っている職人さんです。
素材はすべて国産の薩摩つげです。
ネット通販ができませんので、事前連絡の上で工房に行くか、お電話での注文となります。
大変技術のある方で、特に細歯を得意とされてます。
とても歯が細かい『夢の櫛』がもっとも有名で、工房を訪れた方のほとんどが夢の櫛を購入されるそう!
私も夢の櫛を購入したのですが、髪が太いためあまり相性がよくなかったようで…。
現在は夢と櫛と一緒に購入した、夢の櫛よりも荒めの歯の櫛の方を愛用しています。
工房では色々なタイプの櫛を試し梳きさせてくれますし、事前予約の際に予算を伝えておくと、よさそうなものを選んで用意しておいてくれますよ。
廣島つげ櫛店
住所:さいたま市大宮区吉敷町1-13
電話番号:048-643-3386
辻忠商店
大阪の貝塚市にあるつげ櫛工房です。
すべて国産の薩摩つげを使用しています。
つげ櫛のほかに、綺麗な彫りが入った彫櫛も販売されています。
また、辻忠商店さんは毎年冬にB級品の福袋を格安で販売しています。
色が悪かったり、木目の模様が悪いというだけで使用するのには支障がまったくないため、福袋はかなりのお買い得品!
薩摩つげの櫛をなるべく安く手に入れたいという方は、B級品福袋を狙ってみるといいですよ。
かづら清老舗
京都にあるお店で、つげ櫛以外にもヘアケアアイテムやスキンケアアイテム、かんざしや髪飾りなど多岐にわたる商品を販売しています。
薩摩つげ櫛、本つげ櫛、あかね櫛を販売しています。
本つげ櫛やあかね櫛はお手頃価格でデザインも可愛いので、まずは手ごろな本つげ櫛でつけ櫛の扱いに慣れたい方にぴったりです。
くしのみせ泉
こちらは本つげ、みねばり、ひのき、椿など様々な木で櫛を作っているお店です。
櫛だけではなく、つげのブラシも販売されています!
ヘアケアは櫛タイプよりもブラシタイプ派なんだよね~という方にぴったりですね。
彫りの入った櫛も多く、とにかく商品の種類が多いのが魅力的なお店です。
工房ふるかわや
ふるかわやさんは、みねばり櫛で有名な工房です。
みねばり櫛はお六櫛とも呼ばれ、長野県木曽郡の伝統工芸品です。
テレビ東京の『和風総本家』やNHK-BSの『イッピン』にて紹介されて大人気になったため、注文から納品まで日数がかかりますが…それだけに商品の質は折り紙付き!
歯を梅の花や猫の耳の形に削った可愛らしい櫛もあり、女心をくすぐります。
つげ櫛の購入は早めがおすすめ!年々価格が上がっています
国産の薩摩つげの櫛は、決してお手頃価格というわけではありません。
そのためなかなか購入に踏み切れず、迷っているかもしれません。
ですが、薩摩つげの櫛は、少しでも早い購入をおすすめします。
というのも、年々薩摩つげの櫛の価格が上がってきているんです。
薩摩つげは成長がゆっくりで、またつげ櫛の素材にできるまでは数年間の乾燥が必要になります。
年々よい薩摩つげを手に入れることが難しくなってきているため価格が高騰し、つげ櫛の価格も高くなってきています。
あと何年かしたら買おうかな…と考えていると、もしかしたら数千円は価格が上がってしまうかもしれません。
いつかは欲しいなと考えているのであれば、できるだけ早めに購入してしまった方がお得ですよ。
まとめ
つげ櫛は古来から日本女性に愛されてきた、美髪のためのお守りのような存在です。
美しい髪を保つだけでなく、頭皮へのマッサージ効果も得られます。
定期的なお手入れが必要ではありますが、大切に使えば親子2代・3代にわたって使い続けられるので、コスパ面は最優秀!
高価なトリートメントや美容院でのヘアケア代も抑えられます。
なんとなく櫛って古臭いなー…というネガティブイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、一度使えばつげ櫛のとりこになってしまうかもしれません!
いきなり高価な薩摩つげに手を出すのはハードルが高いので、まずはお手頃価格の本つげ櫛やあかね櫛などで木櫛の扱いに慣れてみてください。
こちらの記事で、つげ櫛のお手入れ方法について解説しています。