静電気が起きにくく、日本女性の髪を美しく保ってくれるのが魅力のつげ櫛!
最高級品の薩摩つげ櫛はそれなりにお値段が張りますが、大切に扱えば親子2代にわたっても使えるためにコスパ面ではとっても優秀です。
つげ櫛を長持ちさせるためには、定期的なお手入れが必要です。
この記事では、つげ櫛のお手入れ方法についてご紹介します。
つげ櫛のお手入れに欠かせない植物油!一番いいのは椿油
つげ櫛のお手入れには、植物油を使います。
つげ櫛は植物油を染みこませて髪をとかすことで、髪を適度な油分でコーティングしてしっとり美しい輝きを出すことができるからです。
また、適度な油分を保っておくことで、つげ櫛本体も割れにくくなり、長持ちします。
乾燥しすぎると歯が狂い、歪んだり反ったりしてしまうので、長期間お手入れせずに放っておくのは危険です。
お手入れに使う油は植物油ならなんでもいいとおっしゃるつげ櫛職人さんもいらっしゃるのですが…実際のところ、なんでもいいというわけではありません。
つげ櫛のお手入れに適さない植物油
おすすめできないのは料理用のサラダ油、オリーブオイルです。
植物油ではありますが…櫛のお手入れに使うということは、最終的に髪にもつくということ。
料理用のサラダ油を髪に塗っても、美髪効果は得られそうにないですよね。
良質なオリーブオイルであれば一見問題はなさそうですが、オリーブオイルでお手入れをしていると、櫛が緑色に変色してきたという話を聞いたことがあります。
なんだかカビが生えたようで嫌な色になってしまいますので、オリーブオイルでのお手入れは避けましょう。
好みの問題だけど最適ではない植物油
悪くはないけれど、最適でもないのがホホバオイル、ゆず油、あんず油などです。
ヘアケアにはもちろん使えるのですが、酸化しやすいのが欠点。
つげの木に浸透しやすいとも言えませんので、つげ櫛のお手入れにはあまり向いていません。
ゆず油やあんず油の場合は香りが櫛についてしまうのも難点ですね。
やっぱりつげ櫛に一番合うのは椿油!
つげ櫛に一番相性がいいのは、なんといっても椿油です。
椿油は酸化しにくいオレイン酸を比較的多く含んでいるので、他の植物油と比べて酸化しにくい性質を持っています。
また乾きにくいので、櫛や髪の保湿にもぴったり!
パサついた髪をしっとり保ってくれますし、トリートメント効果もあるので、つげ櫛のお手入れにはやっぱり椿油を選びたいですね。
つげ櫛のお手入れは、『これ!』と決めた油をずっと使い続けるのがコツ。
椿油を使っていたけれど次はゆず油にしようかな…という使い方をすると、櫛にはあまりよくありません。
つげ櫛のお手入れ方法!日常のお手入れとたまに頑張るお手入れ
私は、日常的なお手入れと1~2ヶ月ごとに行うお手入れの2種類を行っています。
どちらも手順を覚えてしまえば難しくないですし、ヘアケアの延長として習慣化すれば苦になりません。
椿油を染みこませた布で拭く
日常的に行いたいのがこちらの方法です。
櫛を使い終わったら、椿油を染みこませた布やガーゼで櫛全体を拭きます。
たったこれだけでお手入れ完了です!
布やガーゼは一度の使用で捨ててしまう必要はありません。
小さなタッパーなどに畳んで入れておき、そこに油を継ぎ足していけばOKです。
朝晩つげ櫛を使う場合は、どちらか一度だけのお手入れでも大丈夫。
数日開いてしまってもすぐに櫛や髪が傷むことはありませんが、なるべくこまめにお手入れしてくださいね。
植物油に漬け込み、歯ブラシや糸の束で歯についたゴミを取り除く
つげ櫛を使っていると、歯と歯の間にホコリや汚れが溜まってきます。
そろそろ汚れが溜まってきたな…と思ったら、ちょっと気合を入れたお手入れをしましょう!
用意するものは
- つげ櫛
- 椿油
- 歯ブラシ
- サランラップ
以上4つです。

- つげ櫛に油を塗り、サランラップにくるんで油漬けにします。櫛全体に油がいきわたる量で充分です。このままの状態で1日程度放置します。
- サランラップを取り、櫛表面の油を乾いた布やティッシュなどで拭き取ります。
- 油のおかげでごみやほこりが浮いてきていますので、歯の間のごみを歯ブラシでかきだしましょう。根元の部分までしっかりと!
- 最後にゴミやほこりを綺麗に拭き取ってお手入れ完了です。
歯ブラシでうまく汚れがとれない場合は、歯の間に紙を入れるとごみを取りのぞくことができます。
ただし、歯がとても細かい櫛の場合は、長時間油に漬け込んでおくと歯が狂ってくる可能性があります。
極細歯の櫛は数時間程度で漬け込みを終わらせた方がいいですよ。
日常のお手入れと汚れが溜まってきた時のお手入れをきちんとしていると、櫛はいつも光沢のある美しい状態を保てます。
その櫛で髪をとかすと、これまた綺麗な髪を保つことができます。
櫛のお手入れは髪のお手入れです!慣れるまでちょっと大変かもしれませんが、習慣化してみてくださいね。
つげ櫛を扱う上での注意事項
つげ櫛を長く使うためには、いくつか注意しなくてはならないことがあります。
水洗い・濡れた髪への使用は厳禁!
つげ櫛は水に弱いです。
濡らしてしまうと木が膨らんで歯が狂ってしまいます。
また、油が抜けて光沢もなくなってしまいます。
汚れたなと思った時でも水洗いは絶対にダメ!椿油でお手入れしてください。
また、濡れた髪をとかすのも櫛が傷む原因になります。
タオルドライした後の髪をとかすのもリスクがありますので、しっかり乾かしてから使うようにしてくださいね。
ドライヤーの熱を当てるのもNG
つげ櫛は熱にも弱いです。
ドライヤーで髪を乾かしながらつげ櫛を使うと、ドライヤーの熱で歯が狂ってしまいます。
ドライヤー使用時には櫛は使わないようにしましょう。
落とすと割れるため注意が必要
つげ櫛の素材である柘植はとても丈夫な木ではありますが、何をしても大丈夫というわけではありません。
落とすと当然のように歯が欠けたり、割れたりします。
歯が欠けたり割れた櫛は、もう修理することができません。
- 高いところから落とすリスクを避けるため、椅子に座った状態で使う
- フローリングの部屋では使わない
- 携帯する際には必ずケースに入れる
など、櫛を守る工夫をしてくださいね。
まとめ
私はつげ櫛を6本、みねばり櫛を1本持っています。
頭はひとつなのに、そんなにつげ櫛が必要なの!?という感じですよね(笑)
- 自宅で普段使いする櫛
- 携帯する櫛
- 入浴前にとかして髪のごみをとるための櫛
このように使い分けています。
また、私の髪は太めのため、いきなり細歯の櫛でとかそうとしても歯が通りません。
荒歯→中歯→細歯のように歯が荒い櫛から順にとかしていくと、髪がとても綺麗にまとまって艶やかな仕上がりになります。
複数の櫛を持っていると、こんな使い方もできるんですよ。
櫛のお手入れに手をかければかけるほど、自分の髪も綺麗になっていきます。
またつげ櫛はきちんとお手入れしながら使えば深みのある飴色に変化していくため、『櫛を育てる』楽しみもあります。
ヘアケア代にかけるお金も大幅に浮きますから、長い目で見るとコストパフォーマンスの面でも優れています。
まさにいいことずくめのつげ櫛!
あなたもぜひつげ櫛ライフを楽しんでみてくださいね。