失業給付金は出産が理由の退職でももらえる!?延長申請すれば大丈夫です




会社を退職して、次の就職先が決まっていない場合の一定期間、転職や再就職を支援するために国から失業給付金を受け取ることができます。

ただしこれには条件があり、再就職の意思があるのに仕事先が見つからない場合に限ります。

 

妊娠・出産のために仕事をやめた場合、当面は仕事ができなくなるので失業給付金の対象外になると思われがちですが…。

実は、失業給付金の受給期間延長を申請すれば、失業給付金を受け取ることができるんですよ!

 

失業給付金(雇用保険)とは?

失業給付金をもらうための条件

一般的に、失業給付金をもらうためには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。

  1. 雇用保険被保険者として、離職日から遡って2年の間に最低12ヶ月以上働いた期間があること。※特定受給資格者(破産など会社都合他による退職)、又は特定理由離職者(自身の病気、妊娠出産、セクハラ他による退職)は、離職日から遡って1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。
  2. ハローワークにて求職の申し込みを行ない、再就職(労働)の意思があり、能力もあるのに就職できない状態であること。

 

ところが、妊娠・出産を理由に離職した女性が失業給付金をもらうためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 雇用保険被保険者として、離職日から遡って2年の間に最低12ヶ月以上働いた期間があること。
    もしくは離職日から遡って1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。
  2. 妊娠・出産のために離職はするが、産後に再就職する意思があること
  3. 産後にハローワークにて求職の申し込みを行なうこと

 

この条件さえ満たしていれば、正社員・派遣社員・パート・アルバイトの別を問わずに受給できます。

なお当然ですが、雇用保険に加入していなかった方、専業主婦、自営業、産休中のママは対象外です。

 

失業給付金の金額は?

では、失業給付金はいくらくらいもらえるものなのでしょうか。

雇用保険で受給できる1日当たりの金額は、原則として

離職直前の6か月間のお給料の合計 ÷ 180 × 50~80% = 1日当たりにもらえる失業給付金(基本手当日額)

となっています。

基準となるのはお給料の合計であり、賞与などは含まれません。

50~80%となっている部分は給付率といい、賃金の低い方ほど高い率になっています。

また、基本手当日額には、年齢区分に応じて上限と下限が定められています。

詳しい給付率や基本手当日額が知りたい場合は、下記ページをご参照くださいね。

厚生労働省 雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

 

 

失業給付金の受給期間

失業給付金の受給期間は、離職した日の翌日から1年間です。

雇用保険を受給できる日数は、次のように定められています。

自己都合による退職の場合

被保険者であった期間
1年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
90日 120日 150日

参照:ハローワークインターネットサービス 失業後の生活に関する情報

 

会社都合による退職の場合

被保険者であった期間
1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
離職時年齢 30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

参照:ハローワークインターネットサービス 失業後の生活に関する情報

 

特定受給資格者の範囲(一部抜粋)

上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者及び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する言動により労働者の就業環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者

引用:ハローワークインターネットサービス 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

上記にあるように、働く意思があったにもかかわらず、妊娠・出産にともなうマタニティハラスメントが原因で離職を余儀なくされた場合は、自己都合退職ではなく会社都合による退職になります。

 

失業給付金の受給期間延長措置とは

妊娠や出産を理由に退職した場合、『働く意思があっても、いつでも就職できる状態とは言えない』とみなされて、失業給付金を受け取ることができません。

そのため、妊娠~出産の期間中に、失業給付金の受給期間が過ぎてしまうのです。

上記のような状況を回避するため、妊娠・出産のために失業給付を受けられなかった場合は、最長で3年まで受給期間を延長できる制度があります。

もともとの受給期間と合わせると、離職日の翌日から4年以内まで延長することができるんです!

離職したものの、出産後に再就職をしたいママにはとてもありがたい制度ですよね。

 

 

失業給付金の受給期間延長の申請方法と申請期限

受給期間の延長申請は、ハローワークに来所するか郵送で行います。
代理人による申請も可能です。

お住まいの地域のハローワークに問い合わせてみてくださいね。

 

なお、申請期限は

妊娠・出産などの理由により引き続き30日以上職業に就くことができなくなった日の翌日以降から延長後の受給期間の最後の日までの間

と定められています。

たとえば4月1日に退職した場合、離職日の翌日から30日後は5月2日です。

5月2日以降、延長後の受給期間の最後の日までの間に申請すればよいのですが、申請が遅い場合は受給期間延長を行っても所定給付日数のすべてを受給できない可能性があります。

離職日から30日が経過したら、なるべくすぐにハローワークに行って延長手続きを行いましょう。

 

失業給付金をもらう際の注意点

妊娠・出産のために退職したら、配偶者の扶養に入るママが多いと思います。

でもちょっと待ってください!

扶養に入ってしまうと、失業給付金を受け取ることができなくなってしまいます。

支給を受けている間は、国民健康保険や国民年金に加入するようにしましょう。

 

まとめ

一旦退職してしまっても、出産後にまた再就職するつもりであれば、失業給付受給期間の延長手続きをしないと損です!

出産前後はバタバタしますし、赤ちゃんを連れてハローワークに行くのも大変ですので、手続きはなるべく早めにすませておきましょう。

手続きをすませておけば、出産後に再就職を目指して求職活動を始める時、スムーズに失業給付金を受給できますよ。

 

出産にかかる・もらえるお金まとめ!知らないと損します

2018.06.26